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校長あいさつ

校長 新野 秀憲
工学博士
東京工業大学名誉教授

 厚生労働省所管の職業能力開発総合大学校(Polytechnic University, PTU)は、科学・技術・技能の三本柱を建学の理念として国の法律に基づいて昭和36年(1961年)に創設され、次のようなミッションを有しています。

  1. 職業訓練指導員の養成と研修

  2. 職業能力開発に関する研究と情報発信

  3. 製造産業を先導する高度人材の育成と輩出

 一般大学の学部に相当する「総合課程」は、専攻当たり定員20名の少人数教育と実験・実習・演習を重視した実践力重視の教育方針により、科学・技術に加えて技能を三位一体で体得する独自の教育プログラムで人材育成を行っています。そのため、他大学の理工系学部には見られない最先端の教育研究設備を多数備えています。

  PTUは、卒業時に学位「学士(生産技術)」と国家資格「職業訓練指導員免許」を同時に取得できる日本で唯一の4年制工科系大学校です。卒業生の約半数は、職業訓練指導員として全国の公共職業能力開発施設、すなわち職業能力開発大学校・短期大学校、ポリテクセンター(職業能力開発促進センター)、都道府県の職業能力開発施設、法務省矯正局等で活躍しています。そのほか、様々な企業に就職、大学院修士課程に相当する「職業能力開発研究学域」に進学、他大学大学院に進学する学生がいます。皆様は数多くの選択肢から進路を選べます。

 近年、社会ではデジタルトランスフォーメーション(DX)やグリーントランスフォーメーション(GX)が進展しています。PTUでは最先端の教育研究設備を整備して、「未来の生産環境の実現」や新たな学術領域である「『技能科学』の確立」をめざした新たな教育研究を推進しています。前者については情報通信ネットワークと自律型ロボットから構成された「ラーニングファクトリー(Learning Factory)」、後者についてはモーションキャプチャー、アイトラッキングカメラ、生体計測センサー等を用いて技能を科学的に解明する「技能分析スタジオ(Skill Analysing Studio)」を構築し、基礎研究から技術研修に至る広範な教育研究を遂行しています。

 最後に、PTUは職業能力開発に関する最高学府として優れたリーダー人材の育成と輩出を担い、日本の国際競争力強化に大きく貢献しています。PTUは、ものづくり・ことづくり・ひとづくりの教育研究に関わりたい皆様、社会課題を解決するチャレンジ精神旺盛な皆様、日本の産業競争力強化に貢献したい皆様を求めています。そのような意識の高い皆様の夢や希望の実現をPTUの教職員は、全力で応援することを約束します。