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建築専攻

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  • 豊富な実習

建築工学専攻における人材育成方針

現在、建築業界は、気候変動による建築環境の変化、災害に対する回復力を持った都市や建築物の必要性、建築現場の人手不足を補うための生産性の向上や技能習得方法の効率化など、多くの課題を抱えています。これら多種多様な課題の解決には、建築設計の技術のみならず、建築工学に関する幅広い技術・技能が不可欠です。
職業大建築工学専攻では、「科学・技術・技能」を融合した教育として、講義に豊富な実験・実習を体系的に組み合わせたカリキュラムを用意しており、学生を建築工事に関する技術・技能を指導できる人材や建築業界が抱える課題を解決できる人材として育て上げます。

学べるポイント!

  • 豊富な講義で、建築計画、構造、設備、構法・材料・施工等の総合的な知識を身に付けます。当然ながら、一級建築士の受験科目は網羅しており、卒業時には一級建築士の受験資格が得られます。
  • 豊富な実験で、講義で学んだ知識と技術を理解し、建築工学に関する実践的な技術を身に付けます。
  • 豊富な実習で、建物を具現化する力を身に付けるとともに、空間を設計する楽しさや建物を造り上げるよろこびを実感できます。

取得できる資格等

  • 一級建築士、二級建築士、木造建築士*1
  • 建築施工管理技士*2
  • 1級技能士、2級技能士*3

*1 実務経験不要(一級建築士は実務経験2年を経て免許の登録可)
*2 1級(卒業後3年以上の実務経験)、2級(卒業後1年以上の実務経験)
*3 卒業時に職業訓練指導員免許取得:実務経験1年で受検資格、学科試験免除
卒業時に技能士補取得:実務経験1年で受験資格、実務経験2年で学科試験免除

建築専攻の紹介動画

 
【建築専攻】概要説明
【建築専攻】木造建築実習 紹介動画
【建築専攻】鉄筋コンクリート実習 紹介動画
You Tube

授業や学生生活などの情報が掲載されています⇒PTUチャンネル
(外部サイトへリンクします)

専攻主任からのメッセージ - 和田 浩一 教授

和田 浩一 教授

建築技術者として未来への扉を開こう


建築は、人間の生活を支える重要な要素の一つで、人類と共に進化を続けてきました。近年は、単に建築を生産するだけではなく戸建て住宅から超高層ビルに至るまで、魅力的で環境負荷の小さい持続可能な建築が求められるようになってきました。持続可能な建築を目指すためには、伝統技術の良さを生かし、先端技術や環境配慮技術を駆使してものづくりをしなければなりません。また、建築の分野は、構造、環境・設備、施工などの技術(エンジニアリング)という側面と、計画・意匠設計、家具・インテリアなどの芸術的な側面を併せ持っています。安全で快適、そして魅力的で持続可能な建物は、これらのことが複雑に絡み合いながら形成されており、無限大にその可能性が広がっています。建築専攻では、講義・演習にて理論を学び、実験・実習において実際の建物をつくり、最新の技術で建物を評価する実践的で総合的な教育プログラムを用意しています。
建築専攻で学び、さまざまなことに挑戦し、未来への扉を開いてください。

カリキュラム

伝統から最先端までの実践的な技術に対応できるように
建築生産の基礎技術からイノベーション技術までを学びます

建築計画・設計、建築構造、建築環境・設備、建築構法・材料・施工の各分野で、現代の建築におけるイノベーション技術とともに、我が国特有の伝統的な技能、例えばノミやカンナによる木造の仕口や継手の加工を習得します。また、コンクリート施工、室内の左官・クロス施工など、現場さながらの豊富な実習を通して、高品質の施工技術・技能に加えて、建築の生産プロセス(企画、計画、設計、施工、維持)で求められる管理技術を身に付けます。そして、企業実習や、総まとめとしての卒業研究を通して、最先端までの実践的な技術に対応できるようになります。
 

建築専攻研究ユニット紹介

ユニット名 概要
建築計画・設計・CADユニット

 建築計画・設計・CADユニットは、建築・都市における建築計画、設計、CAD分野の教育と研究を行っています。
 建物は、都市や地域、敷地の調査から、建築の企画、計画、意匠設計、構造設計、設備設計、施工、竣工というプロセスを経てできあがります。当ユニットは、この都市・建築における調査から意匠設計までの技術・技能分野を教育と研究の対象としています。
 建築計画は、設計をするための準備の段階です。都市・建物の空間や人々の様々な行動、設計の進め方などについて学びます。
 建築意匠設計では、イメージを建物の形にしてゆくためにコンセプトからイメージへの展開し、具体的な都市・建築空間をつくって方法を学びます。さらに設計発表会をとおしてプレゼンテーション能力も養います。

建築施工・構造評価(木造)ユニット

 研究は、木造建築の構造性能を評価する木質構造、木造建築の施工に関する建築施工分野、建築大工技能の評価、指導方法に関する技能科学分野におけるテーマに取り組んでいます。木質構造分野では、部材が機械プレカット加工された接合部に関する実験に系統的に取り組んでいます。また、建築施工に関する分野では、職人不足、技能継承、国産材の利活用促進、住宅ストック問題を解決できる内装木質化を提案しています。技能科学分野では、建築大工技能の可視化を行って、技能習得の効率化を図れる指導方法を提案しています。
 教育は、総合課程、長期養成課程職業能力開発研究学域における修士課程相当、高度養成課程において、木造建築の構造、施工、内装施工に関する講義・実習・実験を担当しています。
 建築大工職種に関する若年者ものづくり競技大会、技能五輪全国大会の競技運営、技能五輪国際大会の建築大工職種選手強化分科会の運営に貢献しています。

建設施工・構造評価(RC)ユニット

建設施工・構造評価ユニットは、主に鉄筋コンクリート造建物の施工と安全な建物を作るために必要な教育・研究を行っています。
講義では、鉄筋コンクリート構造や構造力学、建築物の維持保全を担当しております。実習では、施工図と呼ばれる実際の鉄筋コンクリート造の建物を作るための図面の作成や右側の写真にあるような建物を、学生自らの手で建築します。この実習を通して、講義で学んだ建物の構造や施工法を体験しながら習得すると同時に、建設業で必要な多くの要素を調整する能力を身につけます。研究では、人材不足が懸念されている建設技能者の育成のため教材作成や、鉄筋コンクリート建物の構造物全般の性能評価を実施しています。

建築仕上・材料評価ユニット

建築仕上げと建築材料分野を専門とした教育・研究活動を行っています。教育では、建築材料学、建築材料実験、鉄筋コンクリート施工および左官・タイル施工などの分野を担当しています。一般的な理論を実験により確認することで、理論と現象のつながりを総合的に学べるような授業や、鉄筋コンクリート工事や左官・タイル工事における技能要素を、実習をとおし自ら経験して体得できるような授業の展開を心がけています。研究では、建築の構造材料であるコンクリート材料、コンクリートブロック組積造に用いる材料、建築仕上材料である左官材料などを専門に研究しています。

建築構造ユニット

 我が国は、世界有数の地震大国であり、建物を設計する上で、地震に対する建物の構造安全性の確保は、最重要課題です。
 建築構造ユニットでは、建物の耐震性能を精度良く推定する方法を提案することを目的として、構造実験により耐力壁や接合部の強さを明らかにしたり、振動実験により地震動に対して建物がどのように動くかなどを調べています。
 右の写真は、木造制震壁の開発を目的とした、木造制震壁を設置した木造三階建て建物の振動実験(職業大と民間企業及び他大学との共同研究)の様子です。建物内に制震壁を設置した建物(右の建物)は、制震壁がない建物(左の建物)より地震に対する変形が小さくなっています。また、制震壁の性能を調べる実験は、学生の卒業研究の一部として取り組みました。
 このように、本ユニットは、建築構造物の構造性能評価に関する研究に取り組んでいます。

木工・塗装・デザインユニット
  • 木工・塗装・デザインユニットは、主に木材の材料特性を調べる研究と木材乾燥や木材接着を含む木材加工技術の開発に関する研究を行っています。木材の特性をよく理解し、そして、木材に対して高付加価値をもたらすような加工技術開発に関する研究を行うことで、持続可能な社会の構築に不可欠な、木材の有効活用や利用範囲の拡大を目指しています。
  • 教育は、木材加工技術における特に各種木工機械を用いてものづくりを行う木材加工実習,木材や木材加工の理論を扱う木材加工法,木質材料の講義、木材加工用機械の安全な使用方法に関する実習等を担当しています。
  • 対外的な活動として、若年者ものづくり競技大会における木材加工職種の競技運営、技能五輪全国大会における家具職種の競技運営に貢献しています。
建築環境設備エネルギーユニット

地震等の災害により水道設備が使用できなくなったり、コロナウィルスの感染拡大により換気を積極的に行ったり、建築環境設備の話題は身近にたくさんあります。近年は、GX(グリーン・トランスフォーメーション)において省エネが注目されていますが、建築分野ではゼロエネルギービルディング(ZEB)が重要です。建築環境設備エネルギーユニットでは、このような居住環境に関する内容が研究テーマになります。2023年度は、水道配管の耐震(写真)や教室エアコンの省エネに関する内容を研究テーマとしました。建築の居住環境や省エネ、創エネなどに興味のある方は、ゼミ室に遊びに来てください。